Liberum Arbitrium (リベルム アルビトリウム) 、日本人には何だか舌を噛みそうになる名前だが、デザイナー光岡慎介の手がけるこのブランドは今後恐らく頻繁に耳にすることになるだろう。
2010年にロンドンのノッティンガム・トレント大学を主席で卒業し、2011年にパリに拠点を移した光岡はその後ロンドンコレクションでレディースウェアを発表。東京コレクションでは2013年春夏よりランウェイショーを行っている。
パリ時代にはブラック・アイド・ピーズの衣装も手がけていたということもあり、デビュー直後の作品はコンセプチュアルな作品を発表していたが、この数シーズンは過剰な演出よりもディティールに重きを置いた洋服作りを展開している。
最新の2014年春夏の作品は「FUN」と名付けられ、その名の如く軽やかなファブリックを中心に鮮やかなグラフィックが春夏の陽気を感じさせるコレクションとなった。
コレクションの要となったグラフィックは、ロンドンのフォトグラファー/アーティスト John Stezaker (ジョン ステザカー) のコラージュ作品をインスピレーションにオリジナルで制作されたもの。
ネオプレンのボンバージャケットやパンチングレザーの切り替えが施されたバイカージャケット、ナイロン素材のライトなトレンチコート、そしてグラフィックプリントシャツなど幅広いラインナップが揃う今季は、ウェアラブルでありながら成熟したモードなアティテュードが際立っていた。