スティレットヒールの生みの親であり、クチュールシューズ界の寵児、ロジェ・ヴィヴィエがその頭角を表したのは50年代のこと。時のモードシーンを牽引していたクリスチャン・ディオールのコレクションのために1954年に制作されたか細いヒールと、オピュレントなエンブロイダリーワークが光る作品は、その後ランウェイシューズの礎となった。
1965年には、かのモンドリアンルックを発表したイヴ サンローランのためにラウンドスクエアの大きなバックルが目を引くパンプスを制作。このモデルは現在に至るまでブランドのシグネチャーとして愛され続けている。
その後もコンマのシルエットにインスパイアされたカーヴィーなヒールをはじめとする名作を次々と打ち出してきたロジェ ヴィヴィエは、2003年に新たなクリエイティブ・ディレクターのブルーノ・フリゾーニを起用。エレガントかつフェミニンでありながら、モダンアートを彷彿とさせるアーティスティックなシューズは世界中の女性を魅了している。
今回、都内初のフラッグシップストアとしてオープンした松屋銀座店では、現在最新の2013年秋冬コレクションのシューズ、バッグの他にプレシャスなファッションジュエリー、そして限定生産のエクスクルーシブライン「ランデヴー」が取り揃えられている。
ライトピンクで統一されたラグジュアリーなインテリアと、パリのアトリエから取り寄せたトライバルオブジェが醸し出すリュクスな空間は、最愛の一足を見つけるための至福の時間を提供してくれる。
HEAVEN TANUDIREDJA (ヘヴン・タヌディレージャ) 1982年バリ島出身、アントワープ王立芸術アカデミー出身の彼は、ジュエリーデザイナーとして自身のブランドを手がけるほか、ディオール・クチュールやドリス・ヴァン・ノッテン、イリス・ヴァン・ヘルペン、JUUN J.といったブランドとコラボを展開するコスチュームジュエリー界の若きホープだ。
アヴァンギャルドでフューチャリスティック、エッジーかつインダストリアルなHeavenの作品。
デコラティブなコスチュームジュエリーに目がないThe Reality Show Talboidは今回、銀座のドーバー ストリート マーケット ギンザで2013年秋冬の新作《Mental Disorder》の展示販売を行う彼にインタビューを行った。
ー今回の来日は初めてですか?
私の祖母が日本人なので幼少時代にはよく日本に来ていたのですが、ここ10年ほど来れていなかったので久々です。
ーなるほど、それでは幼い頃から日本の文化に慣れ親しんでいたのでしょうか?またそのことは現在の作品に何か影響を与えていますか?
私の祖母が京都出身なので、そのことにより私の作品と日本の伝統的な文化には少なからず親和性があるように感じます。例えば今回、ドーバー ストリート マーケット ギンザの為に発表したエクスクルーシブピースではブラックとホワイトのモノクロコレクションを制作したのですが、土台部分のコーティングに日本の伝統工芸の一つである漆を用い、マットに仕上げています。このことによりマット×クリスタルというコントラストを醸し出す高級感や重厚感を表現することに成功しました。
それ以外にも、バリで過ごした幼少時代よりアニメやロボットといった日本の文化のファンだったことが関係して、現在私の作っている作品にはどこかそれらと共通する世界観があるように感じています。
― それでは最後に、現在行っているプロジェクトと、今後のビジョンについて少しだけ教えてもらえますか?
先月パリで2014年春夏コレクション《Dead Princess》を発表したばかりで、現在は次のコレクション制作に移っています。今後のビジョンについては、ジュエリーだけではなくファッションの分野でも活動出来ればと思っています。
http://www.heaventanudiredja.be