新宿の喧噪を抜け、地下鉄で二駅の閑静な住宅街に構える荘厳な佇まいの旧邸宅にて、Christian Dadaの2014年秋冬ランウェイショーは開催された。
まるで昭和へタイムスリップしたようなレトロな空間では中庭で来場者にシャンパンが振る舞われ、ショーの開始まで束の間の優雅なひとときが演出された。そろそろかと案内された席へつくやいなや、雷音にも似たドラムの音が耳を衝く。暗がりから登場したのは、デューイーなリーゼントヘアにレザーのバイカーパンツ、そしてボリューミーなコヨーテファーのコートに身を包んだハードボイルドモデル。
「ブリティッシュロック博覧会」と隣の席から囁く声が聞こえたのは気のせいか。イギリスのロック史を振り返るようなバラエティに富んだコレクションでは、ワイルドなバイカールックの他にマゼンタのエドワーディアン・スーツをめかし込んだテディ・ボーイルック、ターコイズのモヘアニットにキルトを思わせるプリーツスコートをレイヤーしたパンクルック、そしてシマーな輝きを放つブロケードのセットアップをひるがえすグラムロックルックが登場(実はこのテキスタイルは西陣織とのこと。超ラグジュアリー!)。
ファッションウィーク中にあるインタビューにて、企業規模の拡大と海外進出を表明し驚かせたデザイナーの森川氏。これから彼と彼のチームはどんな驚きを見せてくれるのか。次の目的地は、パリ。