「高ければ高い壁の方が」とはどこで聞いたフレーズだったか
とかくヒールに関しては高ければ高いほど魅力的であることに疑う余地はない。そして今、世界中のラグジュアリーシューズシーンの中でも際立って高いヒールを作る一人として知られているのが、日本人デザイナーの舘鼻則孝(たてはな のりたか)だ。
歌舞伎町に風呂屋を経営する一家に生を受けた則孝は、人形作家である母親の影響で15歳にして独学で洋服や靴の制作を開始。その後東京藝術大学にて染織を学んだ後、2010年に自身のレーベルNoritaka Tatehanaを設立している。
花魁(おいらん)も真っ青の“ぽっくり”シューズでセンセーショナルなデビューを果たした彼は、時のレディ・ガガが愛用したことでその名を世界中に轟かせることになる。
則孝の靴のその特徴的なフォルムはときに「ヒールレスプラットフォーム」と呼ばれ、彼のシグネチャーとして認知されるが、一足うん十万という高価なクチュールピースゆえ、なかなか一般人には手の届く代物ではない。
そんな中登場したのが、セカンドラインとして生まれた「The Daughters」だ。
ポンプ・フューリーの生みの親として知られるスニーカー界のドン、北舘洋一郎とともに立ち上げられたこのブランドでは、インサイドヒールが搭載されたコンフォタブルかつスタイリッシュなメンズ、レディーススニーカーが揃う。
そして今回、初の路面店舗として恵比寿のT6Mにオープンしたスペースでは同ブランドのフルラインが展開されるほかに
ショップ内一角を使用した、則孝がプロデュースするミニサイズのアートギャラリー「Pocket」では若手アーティストによる作品が展示される。