Giorgio Armani (ジョルジオ・アルマーニ) による目眩く魅惑の一夜、One Night Only 。
これまでにロンドン、東京、北京、ローマ、ニューヨークと世界を回ってきたこの世にも贅沢な宴の目玉は、同ブランドが誇るクチュールライン Armani Prive (アルマーニ・プリヴェ) の最新コレクションのランウェイショーと、同じくクチュール作品を集約した展覧会「Eccentrico」。
その豪華なラインナップで毎回大きな話題を集めるこのイベントが、ついにパリでもお目見えするということで胸を高鳴らせて会場へ向かいました。
会場に着くとまず出迎えてくれたのは、我らがTim Blanks。この夜のホストをつとめた彼に案内され席につくと、フロントロウには煌びやかなセレブリティがずらっと顔を揃えます。
今回発表された、Armani Prive 2014年春夏コレクションのテーマは「Nomade」。
Armani のシグネチャーでもあるミニマルシックなテーラードルックには、イタリアの伝統工芸であるマジョリカ焼きを思わせるジオメトリックなパターンが躍ります。マスキュリンでありながら至極フェミニンなパンツスーツの仕上げとして、クリスタルのエンブロイダリーが輝くシルクのターバンがグラマラスなアクセントとして加えられました。
次から次へと現れる、この世の贅を尽くした洋服のパレードに、ため息まじりに目を取られているとあっという間にショーはフィナーレへ。最後にはマエストロ自身が登場しましたが、この時ばかりはいつものネイビーのTシャツではなくブラックタイでドレスアップ。
そして華やかなランウェイショーの後には、更なるお楽しみ「Eccentrico」が待ちうけています。
この展覧会で特にフォーカスされているのは、Armani の中でも特に意匠を凝らしたナイトガウンとジュエリー。一糸の輝きまでもが贅沢なシルクのドレスには、クリスタルやフェザーが惜しげも無く使用され、そこにアールデコを思わせる大胆なストーン使いのコスチュームジュエリーを合わせれば、誰もがひれ伏すレッドカーペットルックが完成します。
そうして夜は更けてゆき、最後にはこれまた贅沢なVIPディナーへと招かれました。Armaniホテルのレストランを取り仕切る名物シェフ、Davide Oldaniによる絶品のコースを頂いていると、Olivier Zahmがパシャっとシャッターを切る音が。
この時に隣り合わせた、Armaniクチュールの顧客であるレディとともに夢のような一夜はあっという間に過ぎていきました。
armani.com/live
カサブランカ・ダンディとは彼のことだろうか。モロッコ在住のスタイリスト、ブロガーのLouis Philippe De Gagoueはトラディショナルなメンズルックを機軸に、サハラ仕込みのブライト&ボールドなツイストを加えた装いでいつも驚きを与えてくれる。
溢れ出すストリートの感性とハイファッションの洗練、そしてどこかエキゾチックな彼のスタイルはかのフランカ・ソッツァーニもインスタグラムのフォロワーに従えるほど。彼のインスピレーションとは何なのか、彼のブログを通して感じ取ってみてほしい。
http://louisphilippedegagoue.blogspot.fr
さて、グランパレのガラ・プレゼンテーションで動くアートピースを見たあとは、お楽しみプライベート・ビューイングの時間です。
今季2014年春夏のシャネルは、アートとファッションを巧みに融合させた作品が綺羅星の如く並びます。中でも注目は、レインボーカラーのプリントを施したアイコニックなピースですが、TRSではタイムレスなモノクロ写真がルールとなっているため、カラーでお見せ出来ないのが残念でなりません…
とはいえ、シャネルの誇るクラフツマンシップとウィットに富んだデザインセンスは白黒になったところで揺るぎません。
カラフルなプリントが目にも鮮やかなシースドレスや、シンプルなリトルブラックドレスにはツイードのアンサンブルには軽やかなレースワークが施され、タウンユースとしても大活躍すること間違い無し。今季のツイードは艶やかなフューシャで展開され、ベーシックなアンサンブルもぐっと新鮮な印象を与えてくれます。
そして何より名作ぞろいだったアクセサリーは、ショーでも注目を集めたモンスター・ビーツのようなフォルムが大胆なパールネックレスや、リブソックスをレイヤーしているようなトロンプイユシューズなどクラシカルなでありながらモダンなエッセンスが加わったアイテムはそれだけで主役級の迫力。
そしてシャネルといえばみんな大好きなバッグも、今季は様々なサイズ、マテリアル、シェイプのバリエーションが揃いました。レインボープリントのチェーンショルダーはデイユースに、パーティーに出かけるならアクリルのクラッチ、そして週末に出かけるならグラフィティプリントのバックパックおすすめ。
それぞれ生産数が限られてるので、見つけられたらラッキー。店舗でのコレクションローンチは3月中旬予定です。
http://chanel.com
今年最初の記事にふさわしいトピックは何だろう、とカメラのフォルダーを見返していたところ、シャネルのショーの写真から目が離せなくなってしまったので、些か季節外れではありますが、来る2014年春夏シーズンの立ち上がりに向けたウォームアップの意味を込めて、コレクションを振り返ってみましょう。
今季のシャネルは、会場であるグランパレの大きな舞台をモダンアートのミュージアムに見立てたランウェイを設置。バロック調の額縁や前衛派を思わせるミクストメディア、“プロミスキュアス”なスカルプチュアに真っ赤な相撲力士のオブジェなど、展示されたアートピースは実に多様で、アーティスティック・ディレクターであるカール・ラガーフェルドの造形の深さを覗かせた。
そして肝心のコレクションでは、会場のアートピースに勝るとも劣らないアーティスティックな作品が登場。今回のテーマは、シャネル流アートスクールの制服といったところだろうか。グラフィカルなアイメイクのモデルたちは、バイカラーのキルティングレザーで出来たポートフォリオを手に抱え、さながらアートスクールの学生に扮していた。そしてショーミュージックは、もちろんランウェイサウンドのピカソこと、Michel Gaubert。
正直今まで、学校で一番前の席に座るなんてGEEKしかやらないと思ってたけど、シャネルのアートスクールだったら話は別。一ミリも見逃すまいとフロントローでじっくりカール教授の作品に目を凝らしました。
さらなる優等生を狙うなら、復習も忘れてはいけません。ということで次回のポストは、今回のコレクション展示会からお送りします。遅刻は減点です。